自動火災報知設備のしくみと、使用上の留意点について
自動火災報知設備のしくみと、使用上の留意点につきまして、説明いたします。今回は自動報知設備全体のしくみと、使用する上での留意点についての説明です。
まず、自動火災報知設備全体のしくみですが、前回説明した感知器により火災であることを感知し、受信機と呼ばれる装置に信号を送り、ベルで火災が発生した旨を建物内にいる人へ知らせる設備ですね。構成部品といたしましては、感知器、発信機、中継器、地区音響装置(以下、地区ベルと称します)、そして受信機ですね。受信機には主音響装置(以下、主ベルと称します)や火災のあったことを知らせる赤いランプがあります。当然これらの設備器具をつなぐ配線も含まれます。
各構成部品のしくみや役割について説明します。まず、発信機ですが、この機器は感知器の接続されている配線の一部に設置いたします。構造は赤いランプの中にスイッチが入っているシンプルなものです。役割は人が発見したときに知らせるための押しボタンになります。この発信機を押しますと、感知器が働いた場合と同じように、受信機に信号を送りまして、主ベル、地区ベルを鳴らして知らせるものです。
次に中継器ですが、大規模な建物で配線が沢山あるときに、階ごとにまとめて、受信機に信号を送信するものです。ついで地区ベルですが、地区ベルは大きな音のするベルですね。感知器が火災を感知し受信機から信号を受けてベルの音で、周りの人に火災が発生したことを知らせるものです。25mごとに1個、音量は90デシベル以上と定められています。
次に、主ベルですが、これは受信機の中に組みこまれていまして、受信機の近くで監視にあたっている人に火災が発生したことを知らせるものです。受信機という言葉が出てきましたが、受信機は自動火災報知設備の心臓部に当たるものです。この受信機は、管理人室、宿直室、防災センターなど、建物を管理する人のいる場所に設置されています。管理人室のない建物、たとえば小規模な事務所などでは、人のいつもいる場所で、事務室の一角に置かれています。この受信機にはさまざまな機能がついています。火災が発生した場合には、どこの警戒区域(後ほど説明します)の感知器が感知したのかが分かるように、警戒区域ごとに番号をつけた箇所にランプ表示されます。
また、受信機には赤いランプもついており、受信機が感知器からの信号を受信したことを目視でもわかるようになっています。そのほか、火災が終息したら、ベルの音を止めるベル停止装置。配線の導通を試験する装置。定期的に自動火災報知設備の試験をするための各種点検用の試験装置があります。先ほど記載した警戒区域というのは、感知器が警戒するエリアのことです。基本的には、各階ごとに、600平方メートルの範囲で一警戒区域となっています。以上が自動火災報知設備の構成です。
次に使用上の留意点ですが、受信機のベル停止は点検時と火災時以外には行ってはなりません。ひと昔前の煙感知器は性能的に劣っていまして、魚の焼いた煙等でも感知し、しばしばベルが鳴るので狼少年ではないですが、真実味が薄れ、いつもベル停止ということもされていました。実際の火災でベルが鳴らずに避難が遅れて犠牲者を出したという事例が散見されました、ベルは止めないということが鉄則ですね。
最近は感知器も技術の進歩により、いわゆる誤報ということも極めて少なくなりました。また、感知器の設置してある部屋も、パーテーションなどで区切りますと、その部分が感知器で警戒できなくなります。パーテーションなどの場合には、感知器をその部分に増設するなどの措置が必要となりますね。
自動火災報知設備は自動的に火災を感知できるものですが、そのしくみを知り、正しく使用することが必要ですね。