非常警報設備の種類としくみ、および使用上の留意点について
今回は警報設備の中の非常警報設備の種類としくみ、及び使用上の留意点について説明したいと思います。非常警報設備には次のものがあります。非常ベル、自動式サイレン、非常放送です。これらの設備は法令で設置義務が生じることになりますが、設置義務の捉え方が他の設備と違っています。消火器をはじめとしてスプリンクラー設備や自動火災報知設備の場合には、設置の義務となるかは建物の用途別(例えば、デパートや病院とか)と面積に関係します。
すなわち、ある用途で、一定の面積以上の場合に設置義務が生じます。非常警報設備の場合には、建物の用途と収容人員(用途別に計算される数)によって設置義務が生じます。何故、収容人員によって設置義務を懸けるかは、そもそも警報設備ですから、人に知らせるということが主たる目的ですので、このような捉え方をします。同じように収容人員で設置義務を懸けるのが避難器具です。(当該機具は別途説明します。)
前置きが長くなりましたが、非常ベルのしくみですが、非常ベルはベル、設置場所を明示する赤いランプ、起動スイッチとシンプルなものです。比較的小規模のマンションの共用廊下に設置されているのがよく目につきますね。通常はランプ、ベル、起動スイッチが一体となった四角の赤いボックス型が主流です。ベルの音は自動火災報知設備の地区ベルと同様に90デシベル以上必要とされています。
次に自動式サイレンですが、この設備は現在ではほとんど設置されていません。しくみは非常ベルの、ベルの替わりにサイレンがついたものを連想していただければよろしいかと思います。
続いて非常放送ですが、非常放送は比較的大規模な建物に対して設置されます。非常放送のしくみとしては、スピーカー、配線、マイクのついた増幅器などから構成されています。非常放送は火災時に使うものですから通常の放送設備を堅固にして、停電でも使えるようにバッテリーを備えています。非常放送には通常の放送設備と兼用も出来るものもあります。しかし、非常放送は火災時には、火災の発生や避難の呼びかけを正確に行うためのしくみがしてあります。
その一つは放送設備が使われている場合や、自動火災報知設備の地区ベルが鳴っている場合には強制的に遮断して非常放送を優先させます。また、大規模な建物内の人達に一斉に避難を呼びかけますと、群集心理が働きパニックに陥ることも考えられます。
そこで、区分放送という方法がとられます。具体的には、地階で火災が発生した場合には地下と1階に放送します。また、地上階の場合には、出火した階とその直上の階のみ放送します。このような方法により、大規模なビルでは順次避難させるような構造になっています。
ここで大事なことは、非常放送がそのような仕組みになっていても、放送する人が動揺して、叫ぶような大声で放送すると、かえつて避難する人達の恐怖心をあおります。非常放送設備で避難を呼びかけるときには冷静に放送し、整然と避難が出来るように、日頃より火災の発生したことを想定した放送用語や言い回しを訓練することが必要になります。
どのよう放送するかなどの不安があれば、消防機関の指導を受けてアドバイスを受けながら訓練することも大事ですね。